在留資格変更許可申請とは

 

外国人留学生を新卒で採用する場合、留学ビザから就労系の在留資格に変更をしなければなりません。

在留資格を変更する手続きのことを、「在留資格変更許可申請」といいます。

 

例えば、「留学」から「技術•人文知識•国際業務」への変更申請です。

 

「技術•人文知識•国際業務」の在留資格は、ホワイトカラーの職種に対しては在留資格の許可がおりますが、単純労働とみなされる業務の場合は在留資格が許可されません。

 

単純労働とされる職種

  • レジ
  • 陳列
  • 販売
  • ウェイトレス
  • 調理補助
  • 清掃
  • ドライバー
  • 警備員
  • 建築現場労働者
  • 工場作業員

 

単純労働とみなされる職種の場合、就労ビザを取ることができません。

 

このような単純労働の場合、留学ビザや家族滞在ビザの外国人が資格外活動許可を得て週28時間以内でアルバイトをすることが可能です。

 

「留学」から「就労」へのには留学生本人が入国管理局へ出頭し手続きするようになっています。

法律上その様な決まりとなっていますので、会社が代理して申請することはできません。

 

申請のスケジュール

 

4月1日から就労を予定している場合、4月1日までに在留資格の切り替えができていなければ、就労を開始することができません。

 

つまり、許可が出るまで就労開始日が遅れてしまいます。

 

そのような事情から、入国管理局では4月入社の外国人留学生は前年の12月1日から申請を受け付けています。通常審査は1ヵ月から1ヵ月半はかかるため、できれば2月上旬までには申請を済ませておきたいところです。

 

留学生の在留資格変更は、学士取得や専門士取得が条件となっているため、在留資格許可後の新しい在留カード受け取り時に卒業証書の原本の提示が求められます。そこで最終的にビザの許可が下ります。

 

早めに申請して学校の卒業を待って卒業証書を取得したら新しい在留カードを受け取る。という流れで動けることが理想です。

つまり、申請が3月中旬以降と遅くなってしまった場合には、4月1日までの就労開始予定までに在留資格が許可されない可能性が非常に高くなります。

 

留学生に内定を出し入社日が決まっていたとしても、入社日までに在留資格の許可が出ていない場合は就労を開始できませんので、許可が下りるまで勤務開始を待つ必要があります。

 

このような理由から外国人留学生については12月1日から申請を受け付けており、時間的な余裕を持って準備を進めていきたいところです。

 

また、1月から5月は入国管理局が大変混雑する時期です。

審査期間も長引く傾向にありますので余裕を持って準備をしていきましょう。

 

外国人の留学生を採用する際に企業側が注意しておくことは、就労ビザが取れなければ内定を出しても働けないということです。

 

職務内容と専攻内容の関連性

 

ビザの許可を得るための1番重要なポイントは、職務内容と留学生の学歴、専攻内容に関連性が認められる必要があります。関連性が認められない職務内容ではビザがおりません。

 

例えば、システムエンジニアとして働いてもらいたい場合、情報処理関連の単位を持っている留学生を採用する必要があります。

 

ファッションを学んできた留学生をシステムエンジニアとして内定を出したとしても、就労ビザは取れないということです。

 

ですから、募集している職務内容に関連した専攻科目を履修している留学生を募集し選考をしていかければ全く意味がないということです。

 

留学生を採用したい企業は求人をかけるまえに、まず自分の企業ではどのような学歴をもった、何を専攻して学んだ留学生に募集をかければよいのかを把握することからはじまります。

 

申請手続きを行政書士に依頼するメリット

 

冒頭で、留学から就労ビザへの変更手続きは会社は代理することができないとお伝えしました。

外国人本人が手続きすると法律上決まっています。

 

しかし、この在留資格変更許可申請をするためには、会社側が用意する書類がたくさんあります。

決算書類や登記事項証明書、各種許認可の許可証の写し、従業員の名簿、事業の概要書等、はっきり言って従業員にあまり見せたくない書類もあります。

 

外国人本人に在留資格変更許可申請をさせると言う事はこれらの会社の重要な書類を外国人本人に預ける必要があります。

 

申請取次の資格を持った行政書士であれば、外国人本人に代わって入国管理局に出頭し申請をすることが可能です。行政書士が書類の作成から入国管理局への申請、入国管理局からの質問応答の対応まで全ておこなうことができます。

 

会社の重要書類の紛失や情報漏洩など、本人だけに任せるのが不安な場合は行政書士にご依頼いただくとスムーズです。

 

さらに、留学生に一体どのような仕事をさせるのか職務内容を詳細に文書にまとめた説明書「申請理由書」を提出する必要があります。

この申請理由書の書き方次第で、許可不許可の結果が左右されるといっても過言ではありません。

行政書士の申請を依頼してもらえればこの申請理由書も作成してもらえます。

 

余談ですが、留学生の変更申請に関する行政書士の報酬はほとんどの場合で会社側が負担しています。

 

学校の卒業までに就職先が見つからなかったら

 

留学生が就職できずに卒業してしまった場合、1年間を限度に就職活動を目的とした「特定活動」という在留資格に変更することが可能です。

就職活動を目的とした特定活動の在留資格に変更するには学校から推薦状を発行してもらう必要があります。希望者には誰でも推薦状がもらえるわけではありませんので、まず学校に確認してみましょう。

 

さいごに

 

一般的に大学・大学院を卒業した留学生よりも、専門学校卒業の方が選考と職務内容の関連性をより強く問われます。

また、日本語学校卒業だけの資格では就労ビザは取れません。日本語学校の卒業はプラスアルファとしてアピールできる要素にはなりますが、ビザ取得の要件ではありません。海外で大学等を卒業してから日本語学校に入った場合は海外の大卒資格を持っているということで学歴要件を満たします。

 

外国人の雇用のためには、在留資格の知識が必要不可欠となります。雇用側の企業は最低限のことを学び、難しいことは在留資格専門の行政書士との連携を大切にしましょう。

 

 

文/岡田裕子(おかだ ゆうこ)

申請取次行政書士、行政書士さくら法務事務所代表。

一般社団法人アジア国際交流センター協会ビザ取得アドバイザー。

外国人や外国人を支援する人たちに向けて、おもに在留資格に関する情報を発信している。