外国人社員の雇用契約書のポイント
外国人を雇用する場合、入国管理局へのビザ申請に必要な書類として雇用契約書(または労働条件通知書)の写しがあります。
雇用契約書に必須の記載事項は次の5つです。
①職務内容
②就業場所
③勤務期間
④職務上の地位
⑤給与額
在留資格の審査基準を満たしていること、雇用契約書(労働条件通知書)は外国人本人の手元にも渡っている必要があります。
外国人社員の雇用契約書を作成する上で1番気をつけなければならないポイントは職務内容についてです。
ビザの審査上仕事の内容について誤解を受けないようにできるだけ具体的かつ詳細に書くようにしましょう。業界の専門用語などはなるべく使わないようにし、誰が読んでもわかりやすいように言葉を選びます。
実際よくあるケースですが、職務内容の欄に「生産管理」とだけ書いたために、工場内の単純作業と誤解されビザが不許可になったことがあります。実際の仕事内容は大型PCを使用した工程管理、品質管理などであって、ライン作業のような単純作業ではありませんでした。
書き方ひとつで本来は許可がもらえるケースでも不許可になることはよくあります。
職務内容についてはビザの審査を意識して、業界のことを知らない人が読んでもわかる言葉で具体的に書くことを心がけましょう。
入社後に気をつけるポイント
実際にビザの許可が下りて入社した場合、入社後に面接時に話していた内容を入社後に変更するなど(特に給与)最初の話と違ってくると不信感を抱かれ早期退職につながります。
事前に仕事内容をきちんと説明し、雇用契約書にも職務内容を正確に記載します。
特に入社後に短期間、現場実習や研修をさせる場合は契約書にも明記し面接時にしっかりと説明しておきましょう。
高学歴で優秀な人材ほど現場研修を嫌う傾向にあります。本来は一定期間の現場研修であるにもかかわらず、「最初に話していた職務内容と違う」「嘘をつかれている」など、信頼できない会社と誤解されて残念ながら早期退職に繋がってしまうこともあります。
社会保険のしくみをしっかりと伝える
正規の在留資格を持って日本で暮らす外国人は健康保険に加入する義務があります。また配偶者や子供も被扶養者として加入することができます。
社会保険は会社と従業員が2分の1ずつ折半して払うことが法律で決まっており、会社によっては半分以上負担している場合もあります。
しかし、このような仕組みをほとんどの外国人は知りません。厚生年金や健康保険は日本で働く外国人の義務でもあり権利でもあります。
給与額が契約と違うと主張するトラブルには、社会保険や税金などが天引きされ、会社が本人に代わって手続きしてくれていることを理解していないことも背景にあります。
契約書上の給与額と実際の手取り金額が違うという点も、しっかりと説明しておきましょう。
外国人社員向けに入社時研修を行っている公的機関や民間企業もありますので、このような外部機関に委託してみるのもよいでしょう。
参考書籍:これ1冊でまるわかり!必ず成功する外国人雇用 著者:濱川恭一
文/岡田裕子(おかだ ゆうこ)
申請取次行政書士、行政書士さくら法務事務所代表。
一般社団法人アジア国際交流センター協会ビザ取得アドバイザー。
外国人や外国人を支援する人たちに向けて、おもに在留資格に関する情報を発信している。
