出入国在留管理庁にて公開されている「技術・人文知識・国際業務」の在留資格の明確化等について(最終改訂令和3年3月)より、許可・不許可の事例について確認してみましょう。
事例については、次のカテゴリに分けてお伝えします。
①本国(母国)の大学を卒業した者に係る許可事例
②本邦(日本)の大学を卒業した留学生に係る事例
③本邦(日本)の専門学校を卒業し、専門士の称号を付与された留学生に係る事例1
④本邦(日本)の専門学校を卒業し、専門士の称号を付与された留学生に係る事例2
⑤ホテル旅館等において外国人が就労する場合の在留資格の明確化について
⑥「クールジャパン」に関わる分野において就労しようとする留学生等に係る在留資格の明確化等について
今回は①本国(母国)の大学を卒業した者に係る許可事例について
1.本国において工学を専攻して大学を卒業し、ゲームメーカーでオンラインゲームの開発及びサポート業務等に従事した後、本邦のグループ企業のゲーム事業部門を担う法人との契約に基づき、月額約25万円の報酬を受けて、同社の次期オンラインゲームの開発案件に関するシステムの設計、総合試験及び検査等の業務に従事するもの
2.本国において工学を専攻して大学を卒業し、ソフトウェア会社に勤務した後、本邦のソフトウェア会社との契約に基づき、月額約35万円の報酬を受けて、ソフトウェアエンジニアとしてコンピューター関連サービスに従事するもの
3.本国において電気通信工学を専攻して大学を卒業し、同国にある日本の電気通信設備工事業を行う会社の子会社に雇用された後、本邦にある親会社との契約に基づき、月額約24万円の報酬を受けて、コンピュータープログラマーとして、開発に係るソフトウェアについて顧客との仕様の調整及び仕様書の作成等の業務に従事するもの
4.本国において機械工学を専攻して大学を卒業し、自動車メーカーで製品開発・テスト、社員指導等の業務に従事した後、本邦のコンサルティング・人材派遣等会社との契約に基づき、月額約170万円の報酬を受けて、本邦の外資系自動車メーカーに派遣されて技術開発等に係るプロジェクトマネージャーとしての業務に従事するもの
5.本国において工学、情報処理等を専攻して大学を卒業し、証券会社等においてリスク管理業務、金利派生商品のリサーチ部門等に所属してシステム開発に従事した後、本邦の外資系証券会社との契約に基づき、月額約83万円の報酬を受けて、取引レポート、損益データベース等の構築に係る業務に従事するもの
6.本国において電気力学、工学等を専攻して大学を卒業し、輸送用機械器具製造会社に勤務した後、本邦の航空機整備会社との契約に基づき、月額約30万円の報酬を受けて、CAD及びCAEのシステム解析、テクニカルサポート及び開発業務に従事するもの
7.本国の大学を卒業した後、本邦の語学学校との契約に基づき月額約25万円の報酬を受けて、語学教師としての業務に従事するもの
8.経営学を専攻して本国の大学院修士課程を修了し本国の海運会社において外航船の用船・運航業務に約4年間従事した後、本邦の海運会社との契約に基づき、月額約100万円の報酬を受けて、外国船舶の用船・運航業務のほか、社員の教育指導を行うなどの業務に従事するもの
9.本国において会計学を専攻して大学を卒業し、本邦のコンピュータ関連・情報処理会社との契約に基づき、月額約25万円の報酬を受けて、同社の海外事業本部において本国の会社との貿易等に係る会計業務に従事するもの
10.本国において経営学を専攻して大学を卒業し、経営コンサルタント等に従事した後、本邦のIT関連企業との契約に基づき、月額約45万円の報酬を受けて、本国のIT関連会社との業務取引等におけるコンサルタント業務に従事するもの
11.本国において経営学を専攻して大学を卒業した後、本邦の食料品・雑貨等輸入・販売会社との契約に基づき、月額約30万円の報酬を受けて、本国との取引業務における通訳・翻訳業務に従事するもの
12.本国において経済学、国際関係学を専攻して大学を卒業し、本邦の自動車メーカーとの契約に基づき、月額約20万円の報酬を受けて、本国と日本との間のマーケティング支援業務として、市場、ユーザー、自動車輸入動向の調査実施及び自動車の販売管理・需給管理・現地販売店との連携強化等に係る業務に従事するもの
許可のポイントは、学歴(専攻内容)と職務内容が関連しているかどうかです。
外国人を採用する際、どのような学歴を持った人を選べばばよいのか、どのような職務についてもらうことができるのか許可事例を参考にしてみてください。
次回は、②本邦(日本)の大学を卒業した留学生に係る事例について紹介します。
文/岡田裕子(おかだ ゆうこ)
申請取次行政書士、行政書士さくら法務事務所代表。
一般社団法人アジア国際交流センター協会ビザ取得アドバイザー。
外国人や外国人を支援する人たちに向けて、おもに在留資格に関する情報を発信している。
