本邦の専門学校を卒業し、専門士の称号を付与された留学生に係る事例1について
出入国在留管理庁に公開されている「技術・人文知識・国際業務」の在留資格の明確化等について
(最終改定令和3年3月)より、許可・不許可の事例について紹介しています。
今回は、不許可事例の中で専攻した科目との関連性が認められず、不許可となったものについてご紹介します。
〈不許可事例〉
(専攻した科目との関連性が認められず不許可となったもの)
※コース名、学科名から習得内容が明確なものは専攻科目を記載していません。
①声優学科を卒業した者が、外国人客が多く訪れる本邦のホテルとの契約に基づき、ロビースタッフとして翻訳・通訳業務に従事するとして申請があったが、専攻した科目との関連性が認められず不許可となったもの。
②イラストレーション学科を卒業した者から、人材派遣及び有料職業紹介を業務内容とする企業との契約に基づき、外国人客が多く訪れる店舗において、翻訳・通訳を伴う衣類の販売業務に従事するとして申請があったが、その業務内容は母国語を生かした接客業務であり、色彩、デザイン、イラスト画法等の専攻内容と職務内容との間に関連性があると認められず、また翻訳・通訳にかかる実務経験もないため不許可となったもの。
③ジュエリーデザイン科を卒業した者が、本邦のコンピューター関連サービスを業務内容とする企業との契約に基づき、外国人客からの相談対応、通訳や翻訳に関する業務に従事するとして申請があったが、専攻した科目との関連性が認められず不許可となったもの。
④国際ビジネス学科において、英語科目を中心に、パソコン演習、簿記、通関業務、貿易業務、国際物流、経営基礎等を履修した者が、不動産業(アパート賃貸等)を営む企業において、営業部に配属され、販売営業業務に従事するとして申請があったが、成功した中心科目は英語であり、不動産及び販売営業の知識に係る履修はごくわずかであり、成功した科目との関連性が認められず不許可となったもの。
⑤国際ビジネス学科において、経営戦略、貿易実務、政治経済、国際関係論等を履修した者が、同国人アルバイトが多数勤務する運送会社において、同国人アルバイト指導のための翻訳・通訳業務及び労務管理を行うとして申請があったが、教育及び翻訳・通訳業務と専攻した科目との関連性が認められず不許可となったもの。
⑥国際コミュニケーション学科において、接遇、外国語学習、異文化コミュニケーション、観光サービス論等を履修した者が、飲食店を運営する企業において、店舗管理、商品開発、店舗開発、販促企画、フランチャイズ開発等を行うとして申請があったが、当該業務は経営理論、マーケティング等の知識を要するものであるとして、専攻した科目との関連性が認められず不許可となったもの。
⑦接遇学科において、ホテル概論、フロント宿泊、飲料衛生学、レストランサービス、接遇概論、日本文化等を履修した者が、エンジニアの労働者派遣会社において、外国人従業員の管理・監督、マニュアル指導・教育、労務管理を行うとして申請があったが、先行した科目と当該業務内容との関連性が認められず不許可となったもの。
専門学校卒業の学歴でもって「技術・人文知識・国際業務」を申請する場合は、大学を卒業した者に比べて、履修科目との関連性がよりシビアに審査されます。採用を検討する段階で、履修科目の内容をしっかりと確認し企業が働いてほしい職務内容と合致するかどうか確認しましょう。
文/岡田裕子(おかだ ゆうこ)
申請取次行政書士、行政書士さくら法務事務所代表。
一般社団法人アジア国際交流センター協会ビザ取得アドバイザー。
外国人や外国人を支援する人たちに向けて、おもに在留資格に関する情報を発信している。
