許可された在留資格とは別の在留資格に該当する活動を行おうとする場合や、許可された期間を超えて引き続き在留しようとするときは、入管法に基づき、在留資格の変更許可または在留期間の更新許可の申請を法務大臣に対しておこないます。
法務大臣は、変更または更新を「適当と認めるに足りる相当な理由があるときに限りこれを許可することができる」とされています。
今回は、在留期間の更新申請と変更申請をした際の不許可事例についてご紹介します。
〈不許可事例9例〉
①在留資格「経営・管理」の上陸許可を受けて入国し、以後4回の在留期間更新許可を受けて在留していたところ、入管法違反(不法就労助長罪)により罰金30万円に処せられた。同人から引き続き、飲食店を経営するとして在留期間更新許可申請がなされたところ、在留状況に問題があるとして、在留期間の更新が認められなかったもの。
②在留資格「留学」の上陸許可を受けて入国し、その後、在留資格「技術・人文知識・国際業務」への変更許可を受け、以後3回の在留期間更新許可を受けて在留していたところ、児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反により罰金50万円に処せられた。同人から、引き続きプログラム作成業務に従事するとして在留期間更新許可申請がなされたが、在留状況に問題があるとして、在留期間の更新が認められなかったもの。
③日本語教育機関に入学するとして、在留資格「留学」の上陸許可を受けて入国し、その後専門学校に進学するとして在留期間更新許可を受け、同校を卒業後、同校の同一の過程で、再度勉強したいとして在留期間更新許可申請があったもの。同人の在学状況及び在留状況に特段問題は認められなかったが、同一校の同一過程で再度教育を受ける活動を行うことに合理的理由は認められず、在留期間の更新が認められなかったもの。
④日系3世として在留資格「定住者」の上陸許可を受けて入国し、以後1回の在留期間更新許可を受けて在留していたところ、詐欺及び窃盗の罪により、懲役2年・執行猶予4年の刑が確定したもの。同人から上記執行猶予期間中に、引き続き日系3世として在留したいとして在留期間更新許可申請がなされたところ、在留状況に問題があるとして在留期間の更新を認められなかったもの。
⑤日系3世の配偶者として、在留資格「定住者」の上陸許可を受けて、日系3世である夫と共に入国し、以後2回の更新許可を受けて在留していたところ、引き続き日系3世の配偶者として在留したいとして在留期間更新許可申請が出された。上記更新申請の際に提出された源泉徴収票上の住所地が、入管法に基づき届け出られた住居地と相違していたことから、調査した結果、同人は入国以来、源泉徴収票上の住所地に居住していたにもかかわらず、在留期間更新許可申請の際には日系3世である夫の住所地を住所地として、虚偽申請をしていたことが判明したことから在留期間の更新が認められなかったもの。
⑥在留資格「日本人の配偶者等」の上陸許可を受けて入国し、以後2回の在留期間更新許可を受けて在留していたところ、大麻取締法違反、関税法違反により懲役10月執行猶予3年の刑に処せられたもの。同人から、その後日本人配偶者と離婚したが、引き続き本邦に在留し、通訳・翻訳業務に従事することを希望して、在留資格「技術・人文知識・国際業務」の在留資格変更許可申請がなされたところ、在留状況に問題があるとして在留資格の変更が認められなかったもの。
⑦大学に入学するとして、在留資格「留学」の上陸許可を受けて入国し、その後、在留資格「家族滞在」の在留資格変更許可を受けて在留していたところ、同在留資格での在留中に資格外活動許可を受けることなく風俗営業店にて長期間稼動を行っていたもの。同人からは、再度大学へ入学したとして(入国時の大学とは別の大学)、在留資格「留学」への在留資格変更許可申請がなされていたところ、在留状況に問題があるとして在留資格の変更が認められなかったもの。
⑧在留資格「短期滞在」の上陸許可を受けて入国し、その後、日本人女性と婚姻したことにより、在留資格「日本人の配偶者等」の在留資格変更許可を受けて在留していたところ、日本人女性と協議離婚が成立したものである。同人からは協議離婚後、引き続き、本邦に在留したいとして、在留資格「定住者」への在留資格変更許可申請がなされたところ、本法在留歴は約1年3ヶ月であり、離婚に至る事情及び日本社会への定着性等の事情から在留を認めるべき事情がないものとして在留資格の変更が認められなかったもの。
⑨寄港地上陸許可を受けて上陸後、許可期限を超えて本邦に残留し、在留特別許可により「留学」の在留資格を決定された後、「技術・人文知識・国際業務」への在留資格変更許可を受け、同在留資格により在留していたところ、稼働先を退職したものである。同人から、在留資格の該当性に限らずより広範で安定した活動を行いたいとして、在留資格「定住者」への在留資格変更許可申請がなされたところ、変更を認めるべき事情がないものとして、在留資格の変更は認められなかったもの。
全体的に犯罪に関わるものが多かったですね。
犯罪に関わった人が在留を継続できないことは致し方ないとして、犯罪とまではいかなくても、⑤の異なる住所地で申請したことによる虚偽申請や⑦の資格外活動許可違反などはもったいないですね。
軽い気持ちでおこなったものかもしれませんが、在留資格があってはじめて日本で暮らすことができる外国人にとっては命取りとなります。
必要な届出を行わないことも、更新や変更時に必ず判明します。審査状況に影響がでますので、忘れないようにしましょう。万が一、期限を過ぎていてもそのままにせず、気が付いた時点で手続きしましょう。
文/岡田裕子(おかだ ゆうこ)
申請取次行政書士、行政書士さくら法務事務所代表。
一般社団法人アジア国際交流センター協会ビザ取得アドバイザー。
外国人や外国人を支援する人たちに向けて、おもに在留資格に関する情報を発信している。
