2021年11月28日に、政府が外国人労働者の在留資格を緩和する方向で検討に入ったことがわかりました。
具体的には、現在、建設と造船・舶用工業の2業種だけに認められている特定技能2号について、農業、飲食料品製造業、外食業などにも拡大するというもの。
特定技能は2019年4月に新設された在留資格で、人手不足が深刻な介護や建設、農業などの14業種が対象。
技能水準や日本語能力によって1号と2号に分類されています。
「特定技能1号」では、「相当程度の知識または経験を必要とする技術」が求められ、在留期間は最長5年、家族を連れてくることは不可。また、特定技能1号を終了した後には、帰国することが前提とされています。(特定技能2号移行可能業種は除く)
「特定技能2号」では、「熟練した技能」をもつ外国人が対象で、更新の手続きは必要となるものの在留期間の上限がなく、家族を連れてくることが可能。(家族の範囲は、配偶者と子供)
外国人労働者の在留資格といえば、「技術・人文知識・国際業務」が主となっていますが、大卒以上など一定の学歴を備えている必要があり、かつ、職務内容が学歴と関連性のある専門的な職種に限定されることから、人手不足が懸念される業種には対応できない側面がありました。
その点、「特定技能1号」では、技能試験と日本語能力試験に合格するか、相当する経験等があれば取得できる可能性のある在留資格で、外国人からも注目されている。
「特定技能1号」が当初の見込みほど増加していない背景に、在留期間が最長5年であるという点が、企業にとってまさにこれから活躍してほしい時期に雇用が終了してしまう。
再び、新しい人材の教育に時間や費用を掛けなければならない点などが、雇用する側への大きなハードルになっています。
多くの業種で「特定技能2号」が認められ、在留期間の上限が撤廃されれば、企業にとって大きな後押しになることが期待されます。
さらには、永住権の申請も可能になることが見込まれます。
永住権許可のガイドラインの一つに、
『原則として引き続き10年以上本邦に在留していること。ただし、この期間のうち、就労資格又は居住資格をもって引き続き5年以上在留していることを要する。』
とあります。
これはつまり、引き続き10年以上日本に住んでいて、そのうち就労資格か居住資格の期間が5年以上必要ということです。
ただし、「技能実習」と「特定技能1号」で在留していた期間は引き続き就労資格を持って在留した期間に含まれません。
技能実習or特定技能1号5年+特定技能2号5年で永住権の申請が可能になると考えられます。
しかし、特定技能2号の拡大により、永住権のガイドラインも変更されるかもしれません。
来春の正式発表に期待です。
文/岡田裕子(おかだ ゆうこ)
申請取次行政書士、行政書士さくら法務事務所代表。
一般社団法人アジア国際交流センター協会ビザ取得アドバイザー。
外国人や外国人を支援する人たちに向けて、おもに在留資格に関する情報を発信している。
