在留期間の更新や在留資格の変更手続きの際、各種税金、年金、健康保険料などの支払い状況が審査されます。

就労ビザをもつ多くの会社員の方は、給与からあらかじめ各種税金、年金、健康保険料は天引きされているため、支払いもれの心配はほとんどありません。

 

ところが、留学生を卒業後に新社会人として採用した場合、留学から就労ビザへの切り替えのタイミングではなく、就労ビザの更新時に留学生の頃の各種税金、年金、健康保険料の納付状況が審査されるケースが増えてきました。

 

留学生の場合、所得税や住民税が発生するほどアルバイトをたくさんすることはできませんので、注意が必要なのは、年金と国民健康保険料の納付状況です。

 

年金については、母国に帰国した後に脱退一時金を請求することが可能となる為、支払っている場合もありますが、国民健康保険料については、実際に病院にかからない限り、外国人本人に重要性が伝わっておらず、未納となっているケースがあります。

 

ビザの更新など手続きの過程で、未納がないことの証明書を提出するように言われた場合、残念ながら未納であるケースが多く、その場合滞納分を一括で納付するか、滞納している役所に「納付相談」をしたうえで分割で納付することを約束した誓約書を入管に提出しなくてはなりません。

 

国民健康保険料の未納の審査は、加入していた全期間の証明書が求められます。

留学のために来日し、卒業後に就職したケースでは、来日後入社するまでの数年分すべて審査されます。

ここで未納があった場合、一括では支払いが難しい金額になっていることが予想されます。

分割払いを申し出た場合でも、未納額の半分は一括で納付することが必要で、残りの半分を分割で支払うことになります。そのため、本人の力だけでは対応しきれないことがあります。

 

もちろん、この問題を解決しなければ、ビザの更新や変更が許可されません。

 

このような事態に陥った場合、やはり会社に頼らざるを得ず、会社に立て替えてもらう。

または、上司や社長に個人的に立て替えてもらうなどの対応が必要になります。

 

雇用している企業様にとっては、入社前のことで驚きを隠せないといったところですが、大事な社員を見捨てることもできず助けて下さることが殆どです。

 

しかし、雇用する側、外国人側、双方にとってこの様な事態は避けたいものですね。

 

年金や国民健康保険料の仕組みは、外国では馴染みがない国が多く、なぜ支払いが必要なのか重要性が伝わっていません。決められているから、義務だからと支払いを強制するのではなく、丁寧に理解を求めていく取り組みが必要ですね。

 

在留資格の手続きや外国人雇用に関してサポートが必要な方は、お問い合わせください。

 

 

文/岡田裕子(おかだ ゆうこ)

申請取次行政書士、行政書士さくら法務事務所代表。

一般社団法人アジア国際交流センター協会ビザ取得アドバイザー。

外国人や外国人を支援する人たちに向けて、おもに在留資格に関する情報を発信している。