外国人を採用する際、雇用契約書の締結または労働条件通知書の交付が必要とされています。
どのような理由によるものなのか、また、雇用契約書と労働条件通知書の違いについて解説します。
なぜ雇用契約書(労働条件通知書)が必要なのか
雇用契約書または労働条件通知書を作成する理由は3つあります。
①外国人に労働条件などを理解してもらうため
②採用後に労働条件をめぐったトラブルを防ぐため
③就労ビザの申請の際、入国管理局に提出するため
このような理由から、必ず雇用契約の内容は書面にしたうえで、外国人本人がその内容をよく理解できるように、状況に応じて母国語や英語の翻訳文を作成することも必要になります。
ビザ申請の入国管理局による審査の過程で、労働条件や職務内容などについて、会社や本人に電話調査が入ることもあります。この時に、見当違いな回答をしたり、契約書と矛盾した内容を話してしまうと不許可になることもあります。
外国人本人が雇用契約の内容をしっかりと把握していることは当然として、社内にもある程度情報共有が必要となります。
雇用契約書と労働条件通知書の違い
雇用契約書と労働条件通知書どちらも、労働条件についての記載事項は同じと考えて頂いて問題ありません。違いは、双方の合意が必要かそうでないかの違いになります。
具体的には、
・雇用契約書
同じ書面を2通用意し、雇用主と外国人社員双方が署名または記名・捺印をして、それぞれが1通ずつ保有します。
・労働条件通知書
雇用主が法律に基づいて一定の労働条件を書面にて被雇用者(外国人社員)に通知するものになりますので、外国人社員の署名や記名捺印は必要ありません。
労働基準法では、労働条件通知書の発行が義務付けられている一方で、雇用契約書の取り交わしは義務ではありません。そのため、ビザ申請における必要書類としては、労働条件通知書と雇用契約書どちらを提出してもよいことになっています。
しかし、少し手間はかかりますが雇用契約契約書を用意されることをおすすめします。
外国人の方は、日本人のように転職に対するネガティブな考えは持っておらず、より良い条件が見つかれば転職するのは当たり前だという考えの違いがあります。働き始めたのち、細かな条件や職務内容でトラブルになる可能性もありますので、お互いを守るために雇用契約の締結をおすすめします。
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次回は、雇用契約書の記載内容について解説します。
文/岡田裕子(おかだ ゆうこ)
申請取次行政書士、行政書士さくら法務事務所代表。
一般社団法人アジア国際交流センター協会ビザ取得アドバイザー。
外国人や外国人を支援する人たちに向けて、おもに在留資格に関する情報を発信している。
