日本で暮らしている外国人が日本人と結婚すると、「日本人の配偶者等」という在留資格に変更することができます。例えば、就労ビザをもって働いている方や、留学ビザで学校に通っている方が日本人と結婚したときです。
変更のタイミングは、そのまま同じ仕事を続ける場合や、学校を卒業するまでの間は、在留資格を変更しなくても問題ありません。しかし、現在のビザで認められている活動以外のこともしたいと思った場合は、新しい活動を始める前に、配偶者ビザに変更することをおすすめします。
〈配偶者ビザに変更するメリット〉
・学校や仕事をやめてもビザが取り消されない
・就労制限がなくなる(就労ビザは決められた仕事しかできない)
・転職や転校をしてもビザの手続きがいらない
・永住許可申請や帰化申請の要件が緩和される
・会社設立がしやすくなる(経営管理ビザ不要)
このようなメリットがありますので、日本人と婚姻手続きが済んだあとには、早めに配偶者ビザに変更しておくことをおすすめします。しかし、どの在留資格にもいえることですが、配偶者ビザへの変更は、申請すれば誰でも許可されるという簡単なものではありません。
〈不許可の可能性が高くなるNG行動〉
①配偶者ビザに変更する前に学校を退学してしまう
②配偶者ビザに変更する前に会社を辞めてしまう
③出会ってから結婚までが早すぎる
④結婚相談所などの紹介で結婚
⑤デートなど2人で撮った写真や電話・メッセージのやり取りの証拠がない
①②は、学校や仕事を辞めたけれど日本に残るためにビザがほしかった、つまり、偽装結婚を疑われます。何らかの理由で、配偶者ビザに変更する前に会社や学校を辞める場合には、入国管理局を納得させられるだけの合理的な理由が必要になります。もし、タイミングを伸ばせるのであれば、学校や会社を辞めるのは配偶者ビザに変更してからにしましょう。
③配偶者ビザがほしくて誰でもいいから結婚したと誤解される可能性が高い。これも偽装結婚を疑われます。
④過去に同じ結婚相談所経由で出会って結婚した夫婦が、配偶者ビザを取得後に短期間で別れているなど、偽装結婚を斡旋した疑いがあるような場合に不許可になる場合があります。
⑤偽装結婚ではないことを立証するための資料になりますので、デートの写真やLINEのやり取り、通話履歴などはスクリーンショットでよいので、記録に残しておきましょう。結婚式や披露宴をおこなって写真に残すとなお良いです。お互いの両親や友人を交えて一緒に写っている写真も、2人の関係を公にしていることが分かるため、正真正銘の結婚であると強くアピールできます。
〈まとめ〉
配偶者ビザの申請は、きちんと段階を踏んで結婚し、アピールすべき部分を整理し、証拠になる資料を揃え、経済的に安定した生活ができるということを証明できれば、許可はもらえます。
同じ条件でも、自分で適当に申請してしまうと、本来なら許可がもらえるようなケースでも不許可になることがありますので、配偶者ビザに強い行政書士に相談されることをおすすめします。
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文/岡田裕子(おかだ ゆうこ)
申請取次行政書士、行政書士さくら法務事務所代表。
一般社団法人アジア国際交流センター協会、GRITMAN株式会社、ビザ取得アドバイザー。
外国人や外国人を支援する人たちに向けて、おもに在留資格に関する情報を発信している。
