ビザ申請が不許可になる理由
自分で就労ビザの申請をしたけれど不許可になったという話しは珍しくありません。
不許可になる理由は、大きく分けて次の四つに分けられます。
①外国人の学歴(選考内容)と就職先の職務内容の不一致
②在留資格に該当性がない
③外国人本人に問題がある場合
④企業側に問題がある場合
①外国人の学歴(選考内容)と就職先の職務内容の不一致
就労ビザの中でも代表的な「技術・人文知識・国際業務ビザ」は外国人が大学等で学んだ専門性と職務内容に関連性があることが前提となっています。
例えば、工業大学などで情報処理を学んだ外国人がシステムエンジニアとして働く場合、外国人の専門性と職務内容に関連性があるといえるため、ビザは許可されやすくなります。
一方で、音楽大学を卒業した外国人がシステムエンジニアとして働くとしてビザ申請をしたとしても許可されないわけです。
学歴ではなく実務経験によって申請することも可能ですが職務内容により3年〜10年の実務経験が必要であり、実際に職務にあたっていた証明が必要になります。働いていた企業が廃業していたりすると、証明書が発行できず、ビザを申請することができません。
②在留資格に該当性がない
申請しようとしているビザでは、そもそもその仕事をすることができないということがあります。
「技術・人文知識・国際業務ビザ」は専門性を持った人材がその専門性を活用することが必要となるため、建設業、飲食業、製造業などで現場労働の仕事をさせることはできません。
新入社員をOJTの一環で現場労働も経験してもらう企業もあると思いますが、この場合は期間はいつまででどのような研修内容になるのか、その後のキャリアステッププランをしっかりと説明した文書を入国管理局に提出します。この研修期間ですが2ヶ月程度までと考えておくと良いでしょう。
たとえ研修の一環であったとしても、入国管理局に黙って許可を取らずに現場労働させる事はやめましょう。
③外国人本人に問題がある場合
外国人本人に入管法違反や刑法違反、納税の義務を怠っているなど、何らかのルール違反がある場合も許可されません。
留学生を卒業後就職してもらう場合に気をつけたいのは資格外活動違反です。留学生は勉強することが本業になるため、アルバイトをするためには許可を取り週28時間以内の制限の中で行う必要があります。この時間の制限を大きく上回っていることがありますので注意が必要です。
④企業側に問題がある場合
企業側には事業の継続性・安定性が求められます。
そのため赤字決算が続いているなど、外国人を雇用する必要性が感じられない場合は許可がおりません。
①〜④の不許可理由のなかで、②③については在留資格専門の行政書士が関わったとしても、この事実を変えることはできないため許可をもらうことは難しいです。しかし、①と④の場合は、行政書士がアドバイスをすれば不許可になるポイントが改善される可能性があります。
①の場合は、どのような職務内容なら許可が取れるのかアドバイスできます。外国人の専門性に合った職務内容で採用できるのであればその様に申請すればいいのです。
④の場合は、事業計画書を作成しどのように事業を立て直す予定であるのかを立証します。
また不許可の理由には、申請書類や説明する資料の書き方が悪いというものも含まれます。
ビザの申請は面接等はなく、書類審査のみです。
大切なことを、必要なことは省かずに正確に伝える必要がありますし、逆に誤解を招くような表現をしてしまうと不許可になることがあります。
在留資格変更申請や転職した後はじめての更新申請の場合は、特に注意して入国管理局の審査官に正しく伝わるように申請書類を作成しましょう。
在留資格のことで困ったときは、迷わず在留資格専門の行政書士に相談しましょう。
文/岡田裕子(おかだ ゆうこ)
申請取次行政書士、行政書士さくら法務事務所代表。
一般社団法人アジア国際交流センター協会ビザ取得アドバイザー。
外国人や外国人を支援する人たちに向けて、おもに在留資格に関する情報を発信している。
