こちらのページでは、外国人の雇用を検討している、または募集している企業様向けに役立つ情報を発信しています。

今回は、日本で暮らす外国人にとって命の次に大事ともいわれている在留資格(ビザ)について。

 

在留資格とビザの違い

日本では、外国人も含めて在留資格のことをビザと呼んでいます。

しかし、正確には在留資格とビザは全く別のものです。

 

在留資格とは

在留資格とは、出入国在留管理庁(以下、入国管理局)が審査をし許可権限を持っているもので、「日本に在留するために必要な許可」のことを指します。

ビザ(査証)とは

それに対して、ビザとは査証ともいい海外にある、日本大使館・日本領事館が発給する「日本に入国するための書類」です。

 

日本のパスポートは旅行などで、短期間外国に行く場合、多くの国が査証免除国となっています。

そのため、ビザ(査証)の手続きなしにいろんな国へ旅行することができますので、日本人にとってビザ(査証)の申請はあまり馴染みがありませんね。

(2021年3月現在はコロナの影響で多くの国が査証免除措置を停止しています)

 

少し話が逸れたので元に戻すと、

日本で働く場合や日本人と結婚して長期間日本に在留する場合、まず日本に入国するためのビザ(査証)と日本で行う活動に応じた在留資格を取得する必要があります。

 

ここまで、ビザ(査証)と在留資格の違いについてお伝えしましたが、ビザと在留資格の意味をきちんと理解して言葉を使い分けているのは専門家くらいです。

一般的に、ビザと聞いたら在留資格のことを指していることがほとんどで、外国人も在留資格のことをビザといいますので、そのようにご理解ください。

 

在留資格の種類

在留資格は日本での活動の種類によって分けられており、約30種類あります。

https://www.jetro.go.jp/ext_images/_Events/bdb/49facb9d51d120db/session_second_1.pdf

 

さらに、30種類を大きく3つのカテゴリーに分けることができます。

①就労が認められる在留資格(活動制限あり)

 一般的に就労ビザとよばれているものです。

②就労が認められない在留資格

 留学など働くことが目的ではないものです。

 資格外活動許可を受けた場合は、本来の活動に支障がでない一定の範囲内で就労が認められます。

③身分・地位に基づく在留資格(活動制限なし)

 日本人の配偶者等をはじめとする、身分関係から取得できるものです。日本人と同じように職種や時間数に縛られず働くことができます。

 

このように、在留資格は日本での活動の種類によって分別されており、外国人を雇用するためには実際の仕事内容に合致した在留資格を取得する。または、仕事内容に合致した在留資格を持っている外国人を募集する必要があります。

 

フルタイムの従業員ではなくアルバイトで良い場合は、上記の②に当てはまる外国人で、資格外活動を取得していれば、週28時間以内で雇用することが可能です。(キャバクラ、パチンコ店など一部就労できない職種あり)

 

在留カードとは

在留資格を取得して、日本に中長期在留する外国人に対して交付されるのが在留カードです。

原則、日本へ入国した際に空港等で発行されます。

 

日本人に馴染み深いものに例えると、運転免許証のようなカードです。

 

在留カードは常に携帯する義務があります。

本人確認書類として、銀行口座の開設や携帯電話の契約等さまざまな場面で活用することができます。

 

在留カードに記載されている期限を超えて日本に在留することはできません。

在留期限までに日本を出国するか、在留資格の更新が必要です。

外国人の住所地を管轄する入国管理局にて在留期限の3ヶ月前から、在留資格の更新申請をおこなうことができます。

 

http://www.moj.go.jp/isa/applications/guide/whatzairyu.html

 

在留資格申請

在留資格の申請は、外国人本人あるいは代理人がおこないます。外国にいる外国人を採用して、日本に呼ぶためには外国人を雇用する企業または申請取次資格を持った行政書士等に依頼して申請することが一般的です。

※更新・変更申請は外国人本人または申請取次資格を持った行政書士等に依頼して申請します。

中途採用(転職)にともなう申請

外国人を中途採用で雇用する場合、入国管理局へ届け出が必要になります。

さらに、現在取得している在留資格で採用が可能なのか必ず確認が必要です。

現在取得している在留資格は、あくまで転職前の企業で働くために許可されたものです。

 

場合によっては在留資格の変更申請が必要な場合もあります。

 

在留資格の変更が勤務開始の条件となることがほとんどです。

その場合、採用から就業開始までのプロセスは以下のようになります。

 

【外国人の求人から採用までの流れ】

 

外国人の転職や新卒採用でよくあるトラブルに、入社予定日までに在留資格の変更許可がでないというものがあります。変更許可が出ていないにもかかわらず、働かせてしまうと不法就労となります。

 

内定→在留資格変更申請→許可が出る→本採用→入社

のフローを必ず守りましょう。

 

あらかじめ、何日までに許可が出たら入社は○月○日。

許可がでなければ翌月入社予定。

などのように柔軟に対応できる準備が必要です。

 

在留資格の変更が必要な場合もそうでない場合も、必ず入社して14日以内に入国管理局に変更届を提出するのを忘れないようにしましょう。

 

もし届け出を忘れていた場合は、気づいた時点ですぐに届け出ましょう。そのままにしておくと、罰金や次回のビザ更新の際に在留期間が短くなるペナルティがあります。

 

不許可の原因と対処法

在留資格申請の結果が不許可だった場合には、次のような原因が考えられます。

 

①在留資格の要件を満たしていない

外国人本人の学歴や仕事内容に関連がない場合など、在留資格の取得に必要な要件を満たしていなかった場合です。

仕事内容については関連性のあるものに変更して再申請することも考えられますが、外国人本人の学歴や実務経験の要件が不足している場合の再申請は難しいです。

 

②申請書類の不備や不足

許可が下りない理由として多いのは、申請書類の不足や記入漏れなど。必要な説明がしっかりと書かれていないことなどによって生じます。

あらかじめ入国管理局の相談窓口を利用したり、在留資格に詳しい行政書士に依頼するとよいでしょう。

 

申請書類を提出した後、入国管理局から追加書類の通知が来ることがあります。その際は、記載されている期限内に必ず書類を準備して提出してください。

そのままにしておくと許可はおりません。

期限内に書類が準備できない場合も入国管理局に相談しましょう。

 

③虚偽申請の疑いがある

申請した内容や提出した書類に事実と異なる点や矛盾が生じているような場合や過去の在留資格申請と辻褄が合わない。経歴が合わないなどが考えられます。

行政書士など在留資格のプロに依頼せず、外国人本人や企業が代理人として申請した場合に起こりうる事態です。必ず、過去の申請書類を確認しながら作成しましょう。

 

④外国人本人の在留状況が悪い

税金をきちんと払っていなかったり、定められたルールを守っていなかった可能性があります。

例えば、留学生は資格外活動許可を取れば週28時間以内でアルバイトをすることが可能ですが、所得の調査で時間数を大きく上回っていることが確認できるような場合などがあります。違反の内容によってはリカバリーできる場合もありますが、例にあげた資格外活動違反の場合は許可はおりません。

この場合、一度母国に帰国してもらい、いちから申請をやり直す必要があります。

 

まとめ

今回は、日本で外国人を雇用する際に必要な在留資格やビザの知識についてまとめました。

細かい情報や知識まで押さえている必要はありませんが、基本的なことを知っておくことで重大な事態は避けることができます。

一見すると外国人を雇用する事は時間やお金の面で非常にコストや手間がかかると思えるかもしれません。

しかし、彼らは家族のように大切にすればするほど、一生懸命その思いに応えてくれます。

仕事の面だけでなく私生活においても全て支えてあげるような気持ちで望めば、定着率は抜群で、その評判は口伝てに広がります。

外国人の雇用を成功させた企業は、あらゆる面で成功していくといってもよいでしょう。

求人をかけても人が入ってこない、定着しない。

そのような悩みを抱えているのなら、一度真剣に外国人の雇用について考えてみませんか。

 

 

文/岡田裕子(おかだ ゆうこ)

申請取次行政書士、行政書士さくら法務事務所代表。

一般社団法人アジア国際交流センター協会ビザ取得アドバイザー。

外国人や外国人を支援する人たちに向けて、おもに在留資格に関する情報を発信している。