「技術・人文知識・国際業務」とは

 

「技術・人文知識・国際業務」の在留資格は、外国人の正社員を採用する場面で最も多く取得される在留資格のひとつです。この在留資格で働くことができる職種は、技術や人文知識(理系か文系)分野の専門知識を必要とする業務、または、外国人ならではの思考や感受性を必要とするような業務が該当します。

具体的には、エンジニア、営業、マーケティング、翻訳・通訳などの業務です。

技術・人文知識・国際業務の職種について詳しくは、こちらの記事でご確認ください。就労ビザで最も多い「技術・人文知識・国際業務」の職種について

今回は、技術・人文知識・国際業務の要件について解説します。

 

技術・人文知識・国際業務の要件

 

技術・人文知識・国際業務の在留資格を取得するためには、大きく分けて次の6つの要件を満たす必要があります。

①専門的な知識を必要とする職種であること

②職務内容に関連のある学歴または職歴を持っていること

③給料の水準

④雇用契約

⑤会社の経営状態

⑥外国人本人の素行が良いこと

 

①専門的な知識を必要とする職種であること

・技術または人文知識の専門的な知識を活用する職種であること

・外国人ならではの思考や感受性を必要とする職種であること

単純労働とみなされる職種では、技術・人文知識・国際業務の在留資格は認められません。また、専門的な知識や素養を必要とする職務が十分な業務量であることも求められます。

②職務内容に関連のある学歴または職歴を持っていること

・職務内容に関連する大学を卒業(国内外)または専門学校を卒業(日本国内)

・10年以上の実務経験を有すること

大学卒業またはそれと同等以上の学歴が求められます。短期大学、大学、大学院、高等専門学校が含まれます。学位を取得していることが求められます。海外の大学等の中では、日本の基準において大学等と認められない学校もあるため、事前に確認が必要です。

専門学校卒業の場合は、日本の専門学校(専門士)のみ対象になります。海外の専門学校は含まれません。また、大学等卒業者よりも、専門学校で学んだ専攻と職務内容の関連性が厳しく審査されます。

実務経験については、職務内容により10年以上の実務経験が必要なものと、3年以上の実務経験が必要なものがあります。

実務経験を証明するために、在籍証明書などの書類が必要になりますが、倒産していたり、何らかの事情で証明書類を取得できない場合は、実務経験として認められない点に注意が必要です。また、本当にその企業等が存在しているのか調査が入るため、誰かに頼んで書類を偽造することは絶対にやめましょう。

③給料の水準

日本人と同等額以上の給料が支払われること

外国人であることのみを理由として日本人よりも給与を低く設定することは許されません。実際問題、外国人であることを理由に企業側には様々な配慮が必要になること、それに伴った支出等も予想されますが、給与額に反映させることは認められませんので注意が必要です。

④雇用契約

会社と外国人の間で契約があること(雇用契約に限らず、請負や派遣なども可)

雇用契約が最も一般的な契約になりますが、請負契約、業務委託契約、派遣契約でも問題ありません。ただし、契約期間など契約内容に継続性がみられるものであることに留意します。

⑤会社の経営状態

会社の経営状態が安定していること(外国人の雇用が維持できる経営状態かどうか)

経営状態の審査では、企業を規模に応じて4つのカテゴリーに分類しています。

カテゴリー1は上場企業や国・地方公共団体、カテゴリー2は概ね年間の人件費が1億円以上の未上場企業、カテゴリー3は中小零細企業、カテゴリー4は決算を迎えていない新設会社です。

カテゴリー1や2は経営状態で問題になることはほとんどありませんが、カテゴリー3については直近の決算報告書などを提出し、赤字になっていないかなどが審査されます。カテゴリー4については、事業計画書などを作成し、説明していきます。

⑥外国人本人の素行が良いこと

外国人本人に前科や法令違反がないこと、納税などの社会的義務を果たしていること

オーバーステイ、資格外活動違反、転職や住所変更した際等の届出義務をきちんと履行していることが必要です。

 

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文/岡田裕子(おかだ ゆうこ)

申請取次行政書士、行政書士さくら法務事務所代表。

一般社団法人アジア国際交流センター協会ビザ取得アドバイザー。

外国人や外国人を支援する人たちに向けて、おもに在留資格に関する情報を発信している。